国分の家

既存建物は木造建物と鉄筋コンクリート造建物の大部分を接続して増築が行われているため、中心部にまで陽当りと通風を得ることができておらず、暗くて湿気の多い状態であった。
木造建物は建物自体が老朽化していたため、建替えを前提に設計を進めることになった。

基本構想 建替部分解体前 … 建物が敷地一杯に建てられている

基本構想 建替後 … 境界から控えて建てて、「人と物」「光と風」の通り道をつくる

基本設計 断面 … 夏の日差しを切り、冬は隣家の屋根の上から日照を得る計画

基本設計模型 俯瞰

基本設計模型 西面

軸組模型 屋根面 … 切妻屋根の一部分が片流れになっている

軸組模型 南面 … 居間部分の屋根を上らせて開口部を大きく取る計画

アプローチ … 敷地東側の細い路地を北側より建物の玄関へ向かう

東面外観 … 既存建物と床高を揃えており東側の路地との間の高低差を階段で吸収

南面外観 … 板張りの外壁と木製の建具

南面外観 … 屋根の側面を閉じて木を雨風から護る

西面外観 … 同じ枠の二つの窓は、左が浴室のアルミサッシで、右が寝室の木製建具

既存建物との接続部 西面外観

ポーチ 玄関扉

玄関 居間への扉

居間より南西を見る … 南に向かって天井が高くなっている

居間より南を見る … 木塀で目隠しを行う

居間より東を見る … 左手が台所で、右手は玄関への扉

居間 事務スペース

寝 室 … 出窓の下に造り付けのベンチを計画.窓を開けると風が通る心地よい居場所

洗面・便所 … 一人暮らしのため便所を兼ねている

浴 室

台 所 … 天窓から光を得る

台所 ミニキッチン … ステンレス天板に業務用のIHクッキングヒーターを埋め込み

ブリッジ … 既存建物に続く通路であり、ランドリーを兼用

建替えた木造建物を終の棲家として高齢の建主が一人で暮らし、既存建物に息子世帯が暮らすため、それぞれの棟内に住宅の機能が設けられている。
建主からの要望で非常時に備えて互いの棟同士を内部で行き来できるようにするため、既存建物に対して物理的接点を持たない別棟として木造建物を新築する計画とし、既存建物に新築建物の屋根や壁等を重ねて雨風が侵入しないように納まりを工夫している。
同じ敷地の中だが別々の建物で暮らすという「別々で一緒」のひとつの形。

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