2025.04.01

藤塚町の集合住宅

感覚のめざめ

床をフローリングにしたいとの相談があり、改修を行いました

改修前は、クッションフロアという塩化ビニール素材でつくられた薄いシート状の床材が貼られており、表面には木目柄が印刷されていました
フローリングのような見た目をしていますが、歩くと足が沈むことに加えて光が当たると表面にテカリが出るため、違和感を覚えずにはいられませんでした

杉の無垢材でつくったフローリングで改修を行ったのですが、改修前後の写真を見比べてみると質感の違いがよく分かります

建物の比較を行うときに、視覚的な違いを感じることが多いのですが、フローリングのように体が触れるものの場合は触覚的な違いが感覚に大きく影響を与えます
杉フローリングとしたことで、歩いたときに足が沈まずに支えてくれており、それでいて適度な柔らかさがあり温かみを感じられるようになりました


見た目、触り心地、足音、木の香り、本物の材料を使用して建物をつくることで、人間が本来持っているべき感覚をめざめさせると共に養ってくれるのではないかと思います

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