2024.05.25
その他
日常
京都 若王子の山麓に建つ「若王子のアトリエ」
学生時代の恩師の仕事場です。
自分が初めてこの建物を訪れたのは、16年前の春。講義の後に行われた見学会と懇親会のときでした。
木々に囲まれた坂道をのぼり、木漏れ日に照らされる建物の姿を目にしたときは、違う世界に来てしまったのかと思いました。
以前は、便利な街中に仕事場を借りられていたそうですが、良質な木造建築にふれたことの少ない所員の手本になるようにと、自身で設計した仕事場を自然豊かなこの地に建てられたそうです。
建物が完成してから25年が経ち、年内に新しい仕事場へ引っ越しされるということで、思い出の場所を季節のいい新緑の時期に見学させていただきました。
ここで仕事をしている人にとっては、一日の大部分をこの建物で過ごすことになるのでしょう。
見学者である自分には「非日常」と思えたことが、建物を使っている人にとっては、時を重ねるうちに慣れて行き、やがて「日常」になっていくのだと思われます。
自分の設計によって、建物を使う人の「日常」の質が変わるのだと考えると、これからも良い建物を体感して、豊かな空間をつくるための感覚を養わなければならないと改めて感じました。
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