2025.05.29

KT邸

春を待つ

他の建築会社で家を建てられた方より、ツバメが巣作りに苦戦しているのでどうにかできないかとの相談がありました。
建物を見させていただくと、外壁が汚れにくいように表面がツルツルした仕上材が使用されており、ツバメが巣作りのために付けた泥が床に落ちてしまっていました。

ツバメの巣作りのことがよく分からなかったため調べてみると、「Tsubame Japan」のウェブサイト「ツバメ-軒下から大空へ」に詳しく記されていたので、設計の参考にさせていただきました。

この場所でツバメが巣作りを行えるように、木製の巣台を制作。

背板は表面を荒い仕上にすることで、ツバメが泥を付けやすいようにしています。
底板は奥行きを深くするとカラス等の天敵が台に乗りやすくなったり、ツバメのヒナのフンが底板の上に溜まりやすくなるので浅めにしました。

背板と底板を引っ繰り返して取付けると、ツバメの人工巣を置くことができます。
人工巣は、粘土にワラを混ぜたもので制作しました。

今回はツバメに巣作りをしてもらうことが目的のため、人工巣をはじめから置くことはせず巣台のみを取付けました。

昔からツバメが家に巣を作ると縁起がいいとされています。
その理由としては、ツバメが巣作りをするときに天敵が近寄れない場所として人の出入りが多い商店等の軒下を選んだことから、それが転じて商売繁盛の象徴になったと言われています。

この場所でツバメに巣作りをしてもらってお墨付きをいただき、多くの人が訪れる家になることを望みます。

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