2024.01.20

建築のはなし

考えるよりも感じること

改修工事の打合せを行うため、過去に設計を行った家を久しぶりに訪れました。
新築時に建主の要望で薪ストーブを設計しており、家の中に入ると薪が燃えた良い香りがします。

久しぶりに薪ストーブの暖かさに触れると、エアコンとは暖かさの質が異なることに気付かされます。
自分が普段 エアコンの温風によって暖められた部屋の中にいることで寒さを感じずにいたのに対し、薪ストーブから出る遠赤外線は優しい暖かさで身体を包み込んでくれます。

エアコンは「薬」のようなものとはよく言ったもので、効くのは分かっているのですが、使い続けることは自分の身体に合っていないのではないかと感じました。

薪ストーブで暖まるためには、薪を燃やす必要があります。
このお宅では、建主が自分で薪をこしらえています。

薪を燃やすと灰になるので、片付けなければいけません。
燃やし続けると煤が付くので、掃除をする必要があります。

薪ストーブは、エアコンのようにリモコンひとつで簡単に操作することはできません。
手を掛けることを楽しめる人でなければ、薪ストーブと付き合って行くことは難しいです。
でも、この家の建主とは相性がとても良さそうです。

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