相談をうけたこと
Consultation
建物に関することについて何処に相談すればよいのか?
建築設計事務所にはどんなことが頼めるのか?
そんな疑問の答えになればと、これまでにうけた相談内容と対応事例を紹介します。
建物内のこと … 家具、建具など
「ダイニングテーブル」を木でつくりたい
材木屋さんに置いてある板材の中から好みのものを建主に選んでもらい、設計を行ったものを職人さんにつくってもらっています。
木といっても杉のように軟らかいものもあれば欅(けやき)のように堅いものもあり、色や形も様々です。
下の写真のダイニングテーブルは、栃(とち)の木でつくりました。縮杢(ちぢみもく)と呼ばれる木目が細かい波状になっており、水面が波立ったような美しい表情をしています。
「事務仕事ができる場所」をつくりたい
居間の一画に事務スペースを計画しました。北側に設けた窓の前に机を配置することで、直射日光が入り込まず日射が安定しているため落ち着いて仕事に集中することができます。
机の左側には収納を設けており、仕事で使用するA4サイズのファイルの高さに合わせて棚板をつくっています。
「テレビ台」をつくりたい
部屋の隅に壁から支える構造で計画しました。天板の下には、レコーダーを置くための棚を設けてあります。
下部には柱などの支えが無いため、お掃除ロボットの待機場所になっています。
「姿見」を玄関につくりたい
玄関の隣室への扉にカガミを埋め込んで姿見としました。
幅は細いのですが、全身を映して見ることができます。
「木製の建具」にしたい
木製建具というと玄関などの「引き戸」や「開き戸」が思い浮かびやすいですが、「すべり出し窓」や「上げ下げ窓」など用途や設置場所に合わせて様々な開き方のものをつくることができます。
玄関 引き戸
玄関 開き戸
すべり出し窓
上げ下げ窓
窓に「ステンドグラス」を入れたい
ステンドグラス自体には防水性能が無いため、直接 外部に使用することはできません。周囲に木枠を取付けて開閉可能な内窓として用いることにしました。
「外部側のはめごろし窓(開かない窓)」と「内部側のステンドグラスを入れた開き窓」の間には空間があるため、好きなものを置いて眺められる飾り棚として計画しました。
欄間に「麻の葉模様の組子」を入れたい
お店で売られている欄間を購入して取付けるという選択肢もありましたが、このときは設計してつくることになりました。
組子に杉という軟らかい木を使用しているため、強度を考慮して材は太めになり一つの模様のサイズが大きめになっていますが民家の素朴さに合っていると思います。
「持っている食器棚」を新しい家で使いたい
食器棚の大きさに合わせて収納のユニットを計画しました。
3面が収納になっているのですが、近くで使用するものを収納できるように面ごとで棚のレイアウトを変えて設計しています。
「実家にある学習机」を再利用したい
大工さんが表面を削って綺麗にしたあと、天然塗料の亜麻仁油を塗って仕上げました。
全体に使用感が残っていて、素朴なつくりが愛おしく感じられます。
建物の外部のこと … ポーチ、駐車場、庭など
「ポスト」を家と離してつくりたい
ポスト口が外壁に付いていると雨仕舞いが悪くなりやすく、雨の日に配達が行われると足元が汚れやすいという理由から、ポーチよりも外側にポストを設けました。
鉄筋コンクリートの壁の上に、屋根をステンレスで葺いた木製のポストを載せています。表側にポスト口とインターホンを取付けており、裏側の扉を開けて中のものを取出します。
「屋根付きの駐車場」をつくりたい
人の生活の器である「家」は木でつくっていますが、自動車の置き場所である「カーポート」は鉄骨でつくっています。
鉄骨造とすることで柱の間隔を広く取れて、部材が雨に濡れても耐久性を保てます。用途に合わせて適材適所で使用する材料と構法を選択するよう心掛けています。
実家の解体で出た石基礎を「縁石」として再利用したい
凹凸が少なく色が綺麗なものを目に付きやすい場所に配置し、そうではないものを裏手に置くようにしました。
縁石の内側に砕石を敷くことにより、雨の跳ね返りで建物が汚れることを防いでいます。
「木登りできる樹木」を植えたい
子どもが木登りできる丈夫さがあり、風が吹いたときには枝葉が揺れる木がよいという建主の要望をもとに、植木屋さんにあるものの中から「楷(かい)の木」を選びました。
楷の木は秋になると紅葉する落葉樹で、夏は直射日光を防いでくれて、冬になると葉が落ちて建物の奥まで太陽の光が届くようになります。
移植前 植木屋さんにて
庭へ移植後
「井戸」の水を庭木の水やりに使用したい
井戸ポンプを設置して散水栓を設け、庭木の水やりに使用できるようにしました。
井戸の最上部の高さが地盤面よりも低い位置になるため、誤って人が落ちないように開閉可能な蓋を取付け、その上に砕石敷きを行いました。
既存の井戸
配管後
井戸蓋取付け後
砕石敷き後
その他 … 建物の調査、設備に関してなど
建物が「適法な状態」なのか知りたい
過去に建築確認を行わずに改修工事が行われている場合など、既存の建物が現在の建築基準法において適法な状態にあるのか知りたいという相談を受けることがあります。
香川県内の建物に限らせていただきますが、お問い合わせいただければ、状況を聞き取りしたうえで、お手持ちの資料があれば送っていただき、内容を確認して考えられる可能性をお答えします。近場であれば、実際にお伺いして建物を見させていただくことも可能です。
上記に関しては無料で対応させていただきますが、あくまでも目安ですので最終的な判断は役所などへの確認を要します。確認を行うためには、建物の調査が必要となる場合もあります。
役所などへの確認を行う場合は、別途 費用をいただきます。必要であれば見積りいたしますので、お申付けください。
既存の建物で事業を始めるにあたり、役所に提出する「図面が必要」
事業に使用する部分の面積を役所が確認できる図面が必要とのことで、既存の鉄骨造(一部 他構造)の調査を行い平面図を作成しました。後に建築基準法に関する内容の確認が必要になり、担当部署と打合せを行ってほしいとの依頼を受けたのですが、その際にも作成していた図面が役に立ちました。
調査および図面作成は有料となります。図面の使用目的によって調査内容および作成する図面が異なり、調査を行う建物の面積によっても金額が変わります。必要であれば見積りいたしますので、お申付けください。
「テレビの映り」が悪いので良くしたい
改修工事や増築工事を行うときに、既存の建物についての相談を受けることがよくあります。
このときは既存の建物にあるテレビの映りが悪いということで、電気設備工事の職人さんと電波測定器を使用して映りが良くなる場所を調査しました。
既設のアンテナと新しいアンテナの両方で試験を行い、既設のアンテナでも場所を変えれば電波状況が良くなることが分かったため、取付け位置を変更する工事を行いました。
電波測定器
アンテナ移設後
「水漏れ」の原因を知りたい
既存の建物において水を使用していない状態でも水道メーターが回っており、水漏れしているようだとの相談を受けました。
増築建物への水道管の引込みのために量水器の周りを掘ってみると、既設配管の周囲の土が濡れており水漏れしていることが確認できました。既設配管を新しいものに交換することで一旦は水漏れが収まったのですが、しばらくすると既設配管の他の箇所から水漏れが起こり、水を使用していない状態でも水道メーターが回り始めました。
既設配管は工事を行ってから年数が経っているため、給排水設備工事の職人さんの話では当時の工事の良し悪しに関係無く寿命を迎えている可能性があり、水漏れしている箇所を修理しても再び他の箇所で水漏れが起こるおそれがあるとのことでした。
古い年代の配管を全て交換すれば、根本的に解決することができると思われます。
修理前
修理後
上記以外の内容でも建物のお悩みがありましたら、お気軽に「お問い合わせ」ください。
対応可能な方法を含め、分かる範囲でお答えします。